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報告書

燃料研究棟における実験済核燃料物質の安定化処理

佐藤 匠; 音部 治幹; 森下 一喜; 丸藤 崇人; 石川 高史; 藤島 雅継; 中野 朋之

JAEA-Technology 2023-016, 41 Pages, 2023/09

JAEA-Technology-2023-016.pdf:2.74MB

本報告書は、2018年8月から2021年3月までに実施した、燃料研究棟における実験済核燃料物質の安定化処理の結果をまとめたものである。2017年6月6日に燃料研究棟において発生した汚染事故後に制定された核燃料物質の取扱いに関する管理基準に基づいて、燃料研究棟内のプルトニウム(Pu)を含む実験済核燃料物質のうち、放射線分解による内圧上昇の原因となる有機物を含有した試料(汚染事故の原因となったエポキシ樹脂とPu粉末を混合したX線回折試料を含む)、空気中で活性な炭化物及び窒化物試料、貯蔵容器の腐食の原因となる塩化物試料を対象として安定化処理を実施した。有機物を含有した試料、炭化物及び窒化物試料については空気気流中で650$$^{circ}$$C及び950$$^{circ}$$Cでそれぞれ2時間加熱することで有機物を除去してPu及びウラン(U)を酸化物に転換し、塩化物試料は500$$^{circ}$$C以上の溶融状態でリチウム(Li)-カドミウム(Cd)合金との反応によりPu及びUをCd金属中に還元抽出してU-Pu-Cd合金に転換した。対象とした全ての試料の安定化処理を実施し、燃料研究棟の貯蔵設備に貯蔵することで作業を完了した。他の核燃料物質取扱施設における同種の実験済試料の安定化処理についても、本報告書の内容が活用されることを期待する。

論文

Formation of MPd$$_{3+x}$$ (M = Gd, Np) by the reaction of MN with Pd and chlorination of MPd$$_{3+x}$$ using cadmium chloride

林 博和; 柴田 裕樹; 佐藤 匠; 音部 治幹

Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 332(2), p.503 - 510, 2023/02

 被引用回数:0 パーセンタイル:0.01(Chemistry, Analytical)

Ar気流中における1323Kでの窒化物とPdの反応によって、MPd$$_{3+x}$$ (M=Gd, Np)が生成することを示した。生成物は、立方晶系のAuCu$$_3$$型GdPd$$_{3.3}$$ (${it a}$ = 0.4081 $$pm$$ 0.0001nm)及びNpPd$$_3$$ (${it a}$ = 0.4081 $$pm$$ 0.0001nm)であった。NpNとPdとの反応生成物中には、六方晶系のTiNi$$_3$$型NpPd$$_3$$も含まれていた。本研究で得られたMPd$$_{3+x}$$ (M=Gd, Np)試料と塩化カドミウムの673Kでの真空雰囲気での固相反応では、塩化物が生成すること、及び、副生成物としてPdで飽和したCd相と金属間化合物PdCdが得られることを示した。

論文

すき間内に浸入したClイオンの散逸挙動に及ぼす温度の影響

相馬 康孝; 加藤 千明

第68回材料と環境討論会講演集(CD-ROM), p.205 - 206, 2021/10

金属すき間内に浸入したClイオンの散逸挙動に及ぼす温度の影響を調べた。すき間内部にセンサーを設置し、電気化学測定によって導電率を測定し、そこからCl濃度を考察した。温度50$$^{circ}$$C、および80$$^{circ}$$Cでは共に、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)および白金(Pt)すき間内に浸入したClイオンは、外界を浄化した場合、濃度拡散に従い散逸した。一方、SUS304Lステンレス鋼すき間内に浸入したClイオンはPEEKおよびPtより散逸速度が遅いことが分かった。このことから、すき間内におけるSUS304Lのアノード溶解が散逸挙動に影響を及ぼしていると考えられる。そのため、散逸挙動に及ぼす温度の影響を定量的に調べるためには、アノード溶解速度、および局部腐食の有無を考慮した上で濃度拡散と電位差永動をともに考慮した数値計算が有効であると考えられる。

論文

A Simulation of radiolysis of chloride solutions containing ferrous ion

端 邦樹; 井上 博之*

Journal of Nuclear Science and Technology, 56(9-10), p.842 - 850, 2019/09

 被引用回数:1 パーセンタイル:11.15(Nuclear Science & Technology)

希釈海水等の少量の塩分を含む水溶液中での鉄鋼材料の照射下腐食現象において、材料由来の成分がラジオリシスに及ぼす影響を評価するため、Cl$$^{-}$$イオンとFe$$^{2+}$$イオンが共存する系での水溶液の放射線分解シミュレーションを実施した。主要な水の放射線分解生成物であるH$$_{2}$$O$$_{2}$$, O$$_{2}$$, H$$_{2}$$はFe$$^{2+}$$イオンの存在により増加した。また、Cl$$^{-}$$イオンとFe$$^{2+}$$イオンが共存する系では、これら水分解生成物の発生量がさらに増加した。これは、Fe$$^{2+}$$イオンがOHラジカルにより酸化されて生じたFe$$^{3+}$$イオンが、水分子と反応して水酸化物となる際にプロトンを放出し、水溶液が酸性化するためであると考えられた。一方、鉄鋼材料の腐食に対しては、Fe$$^{2+}$$やCl$$^{-}$$の反応に由来するH$$_{2}$$O$$_{2}$$やO$$_{2}$$の効果より、FeOOHによる鉄の溶解等の別のプロセスが主に影響を与えているものと推察された。

論文

Optimization of an isothermal gas-chromatographic setup for the chemical exploration of dubnium (Db, Z = 105) oxychlorides

Chiera, N. M.; 佐藤 哲也; 富塚 知博; 浅井 雅人; 伊藤 由太; 白井 香里*; 鈴木 颯人; 床井 健運; 豊嶋 厚史; 塚田 和明; et al.

Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry, 320(3), p.633 - 642, 2019/06

 被引用回数:2 パーセンタイル:11.15(Chemistry, Analytical)

等温ガスクロマトグラフ(IGC)装置を開発し、オンライン気相研究に向けた動作試験をおこなった。核反応によって合成した5族遷移金属ニオブおよびタンタルの短寿命同位体をガスジェット気流によってIGC装置へ直接搬送し、反応ガスとしてSOCl$$_2$$を用いてオキシ塩化物を生成する。このときのNbOCl$$_3$$およびTaOCl$$_3$$の生成条件並びに搬送条件を調べたところ、半減期($$t_{1/2}$$)が約30秒の核種について全体の効率が7%であると見込むことができた。したがって、本IGC装置は$$^{262}$$Db($$t_{1/2}$$=34秒)適用可能であることがわかった。

論文

Formation and thermochemical properties of oxychlorides of niobium (Nb) and tantalum (Ta); Towards the gas-phase investigation of dubnium (Db) oxychloride

Chiera, N. M.; 佐藤 哲也; 富塚 知博; 浅井 雅人; 鈴木 颯人*; 床井 健運; 豊嶋 厚史; 塚田 和明; 永目 諭一郎

Inorganica Chimica Acta, 486, p.361 - 366, 2019/02

 被引用回数:4 パーセンタイル:18.6(Chemistry, Inorganic & Nuclear)

トレーサー量のNbOCl$$_3$$およびTaOCl$$_3$$の生成とその石英表面における吸着挙動を、等温ガスクロマトグラフ法を用いて調べた。吸着-脱離モデルをもとにしたモンテカルロ・シミュレーションにより、それぞれについて求められた吸着エンタルピー($$Delta H_{rm ads}$$)は、-$$Delta H_{rm ads}$$(NbOCl$$_3$$) = 102 $$pm$$ 4 kJ/molおよび-$$Delta H_{rm ads}$$(TaOCl$$_3$$) = 128 $$pm$$ 5 kJ/molだった。得られた値は、それぞれの化合物の昇華エンタルピーから経験的に予想される値と非常によく一致した。これにより、金属オキシ塩化物について$$Delta H_{rm ads}$$$$Delta H^circ _{rm subl}$$間に知られている経験式を更新することができた。さらに、NbおよびTaオキシ塩化物の$$Delta H^circ _{rm subl}$$から外挿してDbOCl$$_3$$について予想された$$Delta H^circ _{rm subl}$$(DbOCl$$_3$$)から、$$Delta H_{rm ads}$$(DbOCl$$_3$$)は135 $$pm$$ 2 kJ/molと予想された。本結果を元に、今後同一実験条件下でDbOCl$$_3$$の吸着挙動研究をおこない、5族元素の揮発性について議論することができるとともに、その結果から、ドブニウムにおける相対論効果の影響について見積もることが可能となる。

論文

非定常電気泳動とEPMAによるコンクリート中の塩化物イオン拡散係数の迅速測定

荻野 正貴*; 大脇 英司*; 白瀬 光泰*; 中山 雅

コンクリート工学年次論文集(DVD-ROM), 39(1), p.703 - 708, 2017/07

塩化物イオンの拡散係数はコンクリートの耐久性を評価する重要な指標であるが、耐久性の高いコンクリートは物質透過抵抗性に優れるため、測定に時間を要する。われわれは非定常の電気泳動操作にEPMAを組み合わせた迅速法について検討した。浸入した塩化物イオンについて、浸入範囲と濃度分布を求め、塩化物イオンの分布から電気泳動が主たる輸送機構ではないと判断される浸入範囲を除外し、Nernst-Planckの式により拡散係数を求めた。この拡散係数は、塩水浸せき試験により得られる値とほぼ同等である。従来の試験と比較し、試験期間を1$$sim$$2割程度に短縮できる可能性があることが確認できた。

論文

$$gamma$$線照射下における炭素鋼の腐食挙動に及ぼす塩化物濃度の影響

本岡 隆文; 上野 文義

材料と環境, 64(6), p.220 - 223, 2015/06

低線量率での塩化物水溶液中での炭素鋼の腐食挙動を、500Gy/hの$$gamma$$線照射下で塩化物イオン濃度の異なる塩化物水溶液を用いた腐食試験により調査した。照射により腐食速度は増大し、腐食速度はある塩化物イオン濃度で極大となった。腐食増大には塩化物水溶液の放射線分解で生成する酸化性化学種が関与していた。主な酸化性化学種は酸素と過酸化水素であり、放射線下での炭素鋼の腐食は酸素と過酸化水素の拡散過程に支配されていた。腐食速度の塩化物イオン濃度依存性と酸化性化学種濃度の塩化物イオン濃度依存性には良い対応関係が認められた。

論文

Electrochemical behavior of actinides and actinide nitrides in LiCl-KCl eutectic melts

白井 理*; 山名 元*; 荒井 康夫

Journal of Alloys and Compounds, 408-412, p.1267 - 1273, 2006/02

 被引用回数:41 パーセンタイル:84.47(Chemistry, Physical)

ウラン,ネプツニウム,プルトニウムの金属及び窒化物のLiCl-KCl共晶塩中の電気化学的挙動を、固体電極(Mo)並びに液体電極(Cd, Bi)を用いて調べた。金属の3価/0価の平衡電位は、液体電極上ではアクチノイド金属の活量が低下するために、固体電極の場合よりも正側にシフトした。また、窒化物の平衡電位も、窒化物の生成自由エネルギーにほぼ相当する電位分だけ、正側にシフトした。これらの挙動をアクチノイド系列と希土類系列について比較して議論した。

論文

Molecular to ionic transition of BiCl$$_3$$ in LiCl-KCl eutectic melt

岡本 芳浩; 矢板 毅; 湊 和生

Journal of Molecular Structure, 749(1-3), p.70 - 73, 2005/07

 被引用回数:3 パーセンタイル:7.37(Chemistry, Physical)

溶融BiCl$$_3$$及びそのLiCl-KCl共晶塩融体中における局所構造をX線吸収スペクトル構造解析(XAFS)によって調べた。BiCl$$_3$$単体ではBi-Cl間距離が共有結合半径の和にほぼ等しく、配位数も3であったことから、分子性液体であることがわかった。一方、LiCl-KCl中に25%溶けた状態では、Bi-Cl間距離が長くなり、イオン半径の和に近くなった。配位数も4へと増加した。これらの結果は、単体では分子性液体であったBiCl$$_3$$が、イオン性液体へと変化したことを示唆する。

論文

Uranium nitride chloride UNCl; 30K-class ferromagnet with layered structure

中村 彰夫; 赤堀 光雄; 小川 徹; Huntelaar, M. E.*

Physica B; Condensed Matter, 359-361, p.1021 - 1023, 2005/04

 被引用回数:1 パーセンタイル:6.23(Physics, Condensed Matter)

ウラン窒化塩化物UNClは、最近塩素二重層間へのリチウム挿入により電子ドープされ臨界温度26Kまでの高温超伝導体になることが発見された(Zr,Hf)NCl系に類似の二次元層状構造を有している。われわれの行った本系の比熱測定の結果、32K近傍でラムダ型の比熱ピークの存在が明らかになった。本研究では、磁化測定により、これが局在性の4価ウランの強磁性相転移であることを明らかにしたので、その結果を報告する。2Kでの飽和磁気モーメント約1.56ボーア磁子,ワイス温度26K,常磁性有効磁気モーメント3.00磁子の値が、それぞれ得られた。これらの値は、歪んだ陰イオン8(ないし9)配位(4(ないし5Cl+4N))結晶場中での4価ウランの値として矛盾のないものである。

論文

Local structure of molten CdCl$$_2$$ systems

岡本 芳浩; 塩飽 秀啓; 矢板 毅; 鈴木 伸一; 湊 和生; 谷田 肇*

Zeitschrift f$"u$r Naturforschung, A, 59a(11), p.819 - 824, 2004/11

溶融CdCl$$_2$$及びCdCl$$_2$$-KCl混合系融体の局所構造を、XAFSによって調べた。CdCl$$_2$$は固体では6配位を取っているが、溶融状態ではCd-Cl間距離が短くなり、配位数も4へ減少することが判明した。溶融状態で(CdCl$$_4$$)$$^{2-}$$四面体構造の存在を示唆する。混合系においてもCd-Cl距離と配位数に変化はなく、四面体構造が維持されていると考えられる。

論文

High-temperature XAFS study of solid and molten SrCl$$_2$$

岡本 芳浩; 矢板 毅; 湊 和生

Journal of Non-Crystalline Solids, 333(2), p.182 - 186, 2004/02

 被引用回数:11 パーセンタイル:68.51(Materials Science, Ceramics)

塩化ストロンチウムの高温固体及び融体の放射光XAFS測定を行い、その局所構造の変化を調べた。融点より低い温度で超イオン伝導状態の測定を行い、1000$$^{circ}$$Cで融体の測定を実施した。融体のXAFSデータのカーブフィッティング解析の結果、最近接のSr$$^{2+}$$-Cl$$^-$$距離及び配位数は、2.99$AA $及び6.6であることがわかった。分子動力学計算からXAFS関数を計算し、実験データと比較を試みた。

論文

Density of molten terbium chloride

佐藤 忠; 岡本 芳浩

Zeitschrift f$"u$r Naturforschung, A, 58a(2-3), p.183 - 185, 2003/02

今まで報告の無い塩化テルビウムの密度を、$$gamma$$線減衰測定技術を用いて測定した。$$gamma$$線源にホルミウム-166mを使い、石英セル中に真空封入した塩化テルビウムを993Kから1213Kの温度範囲で透過する$$gamma$$線を計測した。測定$$gamma$$線の減衰から、補正を施し、密度を導出した。その結果、$$d=3.937{pm}0.028-(4.76{pm}0.25) {times}10^{-4} (g/cm^3)$$を得た。

論文

Pyrochemical reprocessing of nitride fuels

白井 理*; 山名 元*; 岩井 孝; 荒井 康夫

Proceedings of Nuclear Fuel Cycle Technologies Closing the Fuel Cycle (CD-ROM), 7 Pages, 2003/00

窒化物燃料の乾式再処理に関する研究成果をレビューする。起電力測定で求めたUN, NpN及びPuNの塩化物溶融塩中での平衡電位は、各々の窒化物に関する熱力学的諸量からの評価値とほぼ一致した。また、UN, NpN, PuNを陽極として定電位差電解を行い、陰極にアクチノイドを回収することに成功した。講演では、今後の研究課題についても議論する予定である。

論文

X-ray absorption study of molten uranium chloride system

岡本 芳浩; 赤堀 光雄; 伊藤 昭憲; 小川 徹

Journal of Nuclear Science and Technology, 39(Suppl.3), p.638 - 641, 2002/11

LiCl-KCl共晶塩中の、UCl$$_3$$融体の局所構造について、U原子L$$_3$$吸収端XAFS測定によって調べた。XAFS測定は、高エネルギー加速器研究機構の放射光実験施設BL27Bで実施した。ウラン水素化物の塩化によって調製した、UCl$$_4$$を亜鉛粉末で還元してUCl$$_3$$を得た。カーブフィッティング解析の結果、最近接U$$^{3+}$$-Cl$$^-$$相関に関する構造情報を得た。MD計算とXAFSシミュレーションコードFEFF8の併用から、最近接U$$^{3+}$$-Cl$$^-$$相関の相互作用について評価した。また、いくつかのウランハロゲン化物のXANES測定を行い、そのシフトから原子価について評価した。

論文

High-temperature XAFS measurement of molten salt systems

岡本 芳浩; 赤堀 光雄; 本橋 治彦*; 伊藤 昭憲; 小川 徹

Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 487(3), p.605 - 611, 2002/07

 被引用回数:27 パーセンタイル:83.24(Instruments & Instrumentation)

希土類塩化物のような空気中で活性な溶融塩系の局所構造を調べるために、最高到達温度1000$$^{circ}C$$の高温XAFS測定システムを開発した。砂時計型の石英セルの上部タンクに固体試料を減圧状態でセットし、電気炉で溶融させ、厚さ0.1mm(0.2mm)の融体パスを通過するところで、XAFS測定を実施した。石英の吸収のために、10keV以上のエネルギー領域に測定が限られたが、本測定システムで吸湿性の高い活性な溶融塩系のXAFS測定が可能であることを確認した。

論文

放射光を用いるXAFS法及び溶液X線回折法によるアクチノイド化合物の構造及び電子状態解析

矢板 毅; 岡本 芳浩

放射光, 14(1), p.42 - 51, 2001/02

放射光施設におけるアクチノイドビームラインの建設に伴い、放射光を利用したX線分光法はアクチノイド、特に溶液や融体のような非晶質な化合物に対する研究手法として急速に発展している。本稿は、放射光を用いるXAFS法及び実験室系XRD法を利用した、アクチノイド溶液、融体系の構造及び電子状態に関する研究成果の一部を紹介したものである。本文において、U-アミド化合物の溶液内錯体構造と分離挙動との相関、Am-窒素ドナー系配位子との溶液内錯体の特徴、ウラン塩化物系溶融塩の構造の特徴とXANESスペクトルなどを紹介している。

論文

107番元素ボーリウムの化学挙動

羽場 宏光

化学と工業, 54(5), P. 590, 2001/00

これまで104番元素ラザホージウムから106番元素シーボギウムまでの超アクチノイド元素に対して化学実験がなされ、それぞれ第7周期のIV族からVI族に位置づけられてきた。ところが107番元素ボーリウム(Bh)においては、化学挙動実験を行うのに十分な寿命をもつ同位体がなく、その化学挙動実験は行われていなかった。最近17秒の長い半減期をもつ同位体Bh-267が新しく合成され、早速その同位体を用いて6個のBh原子がオキシ塩化物として単離され、その揮発性が調べられた。Tc並びにReオキシ塩化物の揮発性や相対論電子軌道計算と比較することから、BhがVII族元素であることが初めて確認された。本論文ではこの実験の詳細を解説する。

報告書

溶融塩高速炉の検討

久保田 健一; 江沼 康弘; 田中 良彦; 此村 守; 一宮 正和

JNC TN9400 2000-066, 52 Pages, 2000/06

JNC-TN9400-2000-066.pdf:1.82MB

平成11年度より2年間の予定で高速増殖炉サイクルの実用化に向けた調査研究として、「実用化戦略調査研究フェーズI」を実施している。本報告書は、このフェーズIの中間段階、すなわち平成11年度の研究成果をまとめたもので、実用化戦略調査研究において対象としたFBRプラントシステムのうち溶融塩高速炉について技術的成立性及び経済性等の観点から検討を加えたものである。平成11年度は、その他概念の高速炉として流動燃料炉全般を対象として検討に着手し、現時点での知見に基づき軽水炉との燃料サイクルの整合が取れるU-Puサイクルが可能な唯一の高速増殖炉体系として、塩化物溶融塩炉を選定した。次に、溶融塩炉の抱える技術的・経済的な様々な課題を摘出・評価したうえで、塩化物溶融塩炉としての諸特徴を具備した溶融塩燃料組成及びプラント概念を暫定構築し、溶融塩以外の冷却材を使用するプラントと比較評価するため、限られた技術情報を前提として技術的及び経済的成立性について評価し以下の結果を得た。(1)塩化物溶融塩炉は固有の安全性を有し、再処理費や燃料費の著しい合理化効果が期待できる。(2)燃料インベントリと炉心冷却能力はNa冷却炉より劣るため、原子炉及び冷却系機器の物量がNa冷却炉より増加する。(3)溶融塩との共存性のある経済的な構造材料開発の見通しが不明である。以上の結果より、現状では次の検討ステップへの移行は時期尚早と考えられる状況であるとの結論に至った。

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